15章 虎視眈々

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・ 「あの子聖夜にチクったんだ?性格悪…」 は?── 「……っ…どっちが!?様子がおかしいから俺が聞き出したんだよっ!」 「聖夜、落ち着けっ」 楠木さんはキレかけた俺にそう告げてくる。 こりゃだめだ… こいつちょっとオカシイ すべてが自分を基準に回っているらしく、気持ちいいくらいに己のしたことは棚に上げている── 「なに考えて人の恋人に会いにいったわけ?」 「だってっ──…パンピーのくせにムカつくからっ…」 おいおい、お前も元は一般ピープル。パンピーだろ? 舞花は何かを堪えた表情で言い切った。 「パンピーのくせに聖夜と付き合うなんてありえないっ…それじゃあたし何のために女優になったんだかっ…」 「なんの為になったんだよ!?仕事嘗めんなっ!」 くだらない── 俺のためだって言いたいんだろうけど誰も頼んでないしっ… 舞花はキレた俺の言葉にポロポロと涙を流し始めていた。 ミラーで楠木さんと目配せしながらため息がでる。
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