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「マスター、悪い奴だな…俺から晶さんを隠すなんてさ…」
「……──」
「そう思わない?晶さん…」
「…っ── 」
「こんなに大事にしてるのにさ……なんでだろうね…」
「…そ…、…そだねっ」
肩を小さくする晶さんの声が微かに聞こえる。
「ねえ…晶さん…どうしてかな…」
「………」
「どうして嘘ついたんですか…」
「………」
「答えられないようなことした?」
「──…し、てないよ…ちょっと…」
「ちょっと、何?」
「臨時のバイト…」
「バイト?」
訊ね返して頷く晶さんの隣に俺は腰掛ける。
「バイトってなんの?俺に秘密にするようなバイト?」
「……──」
晶さんは少し口ごもった…
あやしいっ──
まさかメイドカフェとかっ…
スク水カフェとかっ…
だったら───
俺だって行きたいじゃんっ!
「もうっ一体、どこでやってんのっ!? なんのバイトっ!? どんな格好でっ!?」
「な、夏希ちゃん、耳痛いから…」
妙に興奮して息を乱す俺から距離を置くように晶さんは顔を離していた。
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