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「あの子聖夜にチクったんだ?性格悪…」
は?──
「……っ…どっちが!?様子がおかしいから俺が聞き出したんだよっ!」
「聖夜、落ち着けっ」
楠木さんはキレかけた俺にそう告げてくる。
こりゃだめだ…
こいつちょっとオカシイ
すべてが自分を基準に回っているらしく、気持ちいいくらいに己のしたことは棚に上げている──
「なに考えて人の恋人に会いにいったわけ?」
「だってっ──…パンピーのくせにムカつくからっ…」
おいおい、お前も元は一般ピープル。パンピーだろ?
舞花は何かを堪えた表情で言い切った。
「パンピーのくせに聖夜と付き合うなんてありえないっ…それじゃあたし何のために女優になったんだかっ…」
「なんの為になったんだよ!?仕事嘗めんなっ!」
くだらない──
俺のためだって言いたいんだろうけど誰も頼んでないしっ…
舞花はキレた俺の言葉にポロポロと涙を流し始めていた。
ミラーで楠木さんと目配せしながらため息がでる。
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