通告

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いってきますー いつもはちら見なんてしないのに、その日お姉ちゃんは廊下を歩きながら私の部屋へ視線を送った。 今でも覚えているその一コマ。 これから起きる事への通告なのか違和感があった。 今でも記憶に住み続けているなんとも言えない記憶。 きっと誰にでもあるだろう、何かが起こる前に起こる違和感。振り返ってみると通告だったのか?と思える出来事。 その日の夜、たぶんクリスマス前の12月頃かな、姉は中学校から戻ってこなかった。 児童相談所にいるらしい。 へぇーー てか、なんで?? なにあったの? 楽天的、というか能天気な私は大したことと思っていなかった。というか検討がつかなかった。 1週間たっても帰ってこない。 それから何日流れたのか。 母からある日言われた。 1つ、引っ越す事 2つ、父とはもう住まない事 3つ、姉は父がいない家なら帰ってくる事 え?? 戸惑いしかなかった。 けれどそんなにショックな事ではなかったのだろう。幸い小学校にも通えるし、飼っていた犬のポロンにも会いに行けるし、家に残すことは本当に嫌だったけど。(ペット禁止のマンションに父に頼みまくって買ってもらったパピヨンのポロン)。 まだ、何もわかっていなかった12歳の自分。
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