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子どもは選べない
姉の事は大人の事情だから、12歳に言うべきことではない。で片付けられた。
また時が過ぎて、姉はひきこもり、私は父と連絡を取るなと母に言われ、少しずつ平穏な日々がミシミシと唸っていたころ、、
3月頃かな、急にまた引っ越すと母からはなされた。
今度は違う駅へ。中学校も全く知らないところ。
当たり前に行くと決めていた中学校、
〝一緒に登校しようね″
〝部活どれにしよっか″
幼なじみ、友達との、もうすぐ先の日々が一気に暗くなった。喪失感と、怒りが起こった。
「どうして勝手に決めるの!」
「ーは1中に行くんだから!!!」
「家に残る!!」
無理だとわかってても言うしかなかった。
泣き喚いた。
母は怒るでもなく、諭すでもなかった気がする。
(今思えばね、お母さん、あの時沢山吐かせてくれてありがとうね。ただね、幼なじみと友達と約束してた小さな日々がなくなって辛かっただけなの、不安だっただけなの。灰色な世界になって。)
引っ越すんだ、と周りに伝える時に、理由を言えないのも心地悪かった。
大人の事情ってなに?
それで学校、住む場所、友達も変わっちゃう私。子どもって?12歳ってそこそこ大人じゃないの?
お姉ちゃと父と母でなにがあったの?
お金?暴力?なんなの、、、
児童相談所、家庭裁判所、いじめ?
借金、連帯保証人、
小学校6年生なりに事実を探って色んな言葉が出てきた。。
けれど限界はあるし、私に話してくれる大人はいない。隠す大人はいるけれど。
結果推測しかできなかった。
そして引っ越しとともに
家族皆そこそこ好きだし、誰とも対立していない私は、誰も信用できなくなった。
何かを失って、
生まれ育った町に置いてきた12歳の冬。
たぶん、心の一部、好きって気持ちなのかな。
人生の大半を過ごしてきた家族全員への疑心暗鬼。 人として失っちゃいけないもの。
(自責ばっかで、けどよく耐えたねと今なら12歳の私をそっと包んであげたい。)
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