温かな最初の出会い

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温かな最初の出会い

見慣れない制服を来て初日の登校日。 新しい家から出た日、マンションの入り口階段前で写真をとった。 母はなんだか嬉しそうだった。 いろんな事情があったとしても、娘の進学は嬉しいものだろう。 小学校6年生の卒業式の日、周りが見覚えある中学校の制服をきてるなか、私はまだ制服が届かずセーターを着ていた。 母は見つけやすくてよかったよと謎のコメントを残したが、私は浮いていて、というか孤独だった。 しかしこれからは孤独から全てを創っていかなきゃいけない。 そんな事を考えて不安だらけの中登校した。 学校へ行く中で出会った景色は田んぼだったり、幼稚園、比較的背が低いマンションで見晴らしのいいものだった。 中学の初日のクラスに辿り着き、ひとまず席に座って待つ。 少しグループができていた。小学校からの繋がりなのかなぁ。 早く誰か気の合う子見つかったらいいな、と思いながら席に着いた。 始業式が終わり、席に座った。 ちらちら周りを見て誰かに話しかけようとしてたところ、左後ろの女の子と目があった。 「・・・」笑笑 「よろしく!」 確かお互いこんな感じ笑笑 彼女の名前はかなで。 小さいボブで童顔な、目が綺麗な元気そうな子だった。 こんな感じで初めてできた中学の友達。 彼女になんであの時私の方向いてたの?と聞いたら、 「キョロキョロしてる子がいて笑」と言われた。 (そんなにキョロキョロしてたかなぁー、不安だったんだなー)と今も思う。 よく頑張ったよ、そしてそういう動作にさりげなく気がついてくれる友達ができた事が何よりの幸運だ。 かなでは私の初めて1対1で喧嘩したり、仲直りしたり、同じ部活を過ごしたり、人間関係を教えてくれた人になった。 話しかけてくれてありがとう。とこれからも感謝を彼女へ忘れることはないだろう。 大人になると人間関係が広がって最初の出会いを大事にしなくなる事が時々ある。 結局いつかは別れるし、ドライな付き合いでも問題ないから、問題なくできるのが大人だからだ。 けれど、やっぱり大切に人に温かい出会いを与えられる側の存在でいたいって思わせてくれる、そんな人生の教えだったのかもしれない。 ありがとう、かなで。
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