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『ここらへんで、お開きにしますか! じゃ、美亜さん、お先に失礼しまーす』
『サクヤのこと、よろしくっス』
『コイツ真面目だから、浮気しないっすよ』
『なんなら、お持ち帰りしちゃっていいっすから』
ぐでんぐでんに酔ってるサクヤくんを私に押し付けて、続々と退出していく。
『まって、アズサ!』
席を立とうとするアズサを引き留めると、アズサがてへっと舌を出した。
『ごめーん、美亜。これから、バーで飲み直すんだ。がんばれ、美亜!』
『えっ、困るから……っ!』
『ぼっち卒業おめでとー』
アズサがスキップしながら、会を仕切っていた人と腕を組んで出て行った。
広い座敷には私とカレの二人きり。
お互い、端と端の離れた席に座ったまま、だんまりとする。
カレは見ていて切なくなるくらい、身も心もぼろぼろになっていた。
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