#01.お持ち帰り、しちゃいました。

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『ここらへんで、お開きにしますか! じゃ、美亜さん、お先に失礼しまーす』 『サクヤのこと、よろしくっス』 『コイツ真面目だから、浮気しないっすよ』 『なんなら、お持ち帰りしちゃっていいっすから』  ぐでんぐでんに酔ってるサクヤくんを私に押し付けて、続々と退出していく。 『まって、アズサ!』  席を立とうとするアズサを引き留めると、アズサがてへっと舌を出した。 『ごめーん、美亜。これから、バーで飲み直すんだ。がんばれ、美亜!』 『えっ、困るから……っ!』 『ぼっち卒業おめでとー』  アズサがスキップしながら、会を仕切っていた人と腕を組んで出て行った。  広い座敷には私とカレの二人きり。  お互い、端と端の離れた席に座ったまま、だんまりとする。  カレは見ていて切なくなるくらい、身も心もぼろぼろになっていた。
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