43人が本棚に入れています
本棚に追加
『……もぉう、女なんか好きになるもんか』
『はいはい、それさっきも聞いたから』
結局、自暴自棄になってるカレをほっとけなくて、やけ酒に付き合うことになってしまった私。
『女ってさ、寂しい生き物なの?』
『え?』
『そばにいないからって、他に男つくっちゃうわけ?』
『わかんないよ。あ、でも弱ってるときに付け込まれたら、コロッといっちゃうかも。なーんてね』
『やっぱそうなんだ』
『あっ! 勘違いしないで、私はちがうからっ。私はいつだって彼氏一筋だもん!』
『へー、うらやましい。美亜さんの彼氏、愛されてるなぁ』
『へっ!?』
気づけば、カレの瞳に取り込まれていた。
頬杖をつきながら、もう片方の手で私の手をぐいっと引き寄せる。
『美亜さんは、なんでこの飲み会に参加したの? もしかして、美亜さんも“寂しい生き物”なの? 俺が付け込んだら、なびいてくれる?』
『……ぶへっ!』
手のひらを指でなぞられ、思わず口に含んでいたお酒が見事に飛び散る。
まさか、口説かれた!?
最初のコメントを投稿しよう!