#01.お持ち帰り、しちゃいました。

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『美亜さん、大丈夫?』 『だだだ大丈夫、自分で拭くから! てか、なんの話だっけ?』  一気に酔いは()めましたけどね。 『地元に残してきた、彼女の話。しかも、新しい男が俺のダチってさ、笑えるよね~』 『いやいや、全然笑えないんですけど……』 『おっ! それ、飲まないんならちょーだい』 『あっ、私の!』 『未亜さんと間接チューだ』 『もう飲み過ぎ!』 『ははは。こんなの全然。ぜーんぜん、飲んだうちにならないって』 『もう十分、飲んだでしょ。そろそろ帰ろ』  立ち上がる私に、サクヤくんが空のグラスを突き出す。 『ほら、未亜さんもじゃんじゃん飲んで、嫌なことパーッと忘れちゃおう!』 『私は別に……。てか、それ入ってないし』 『いや、()いでくれる人必要だし。ねぇ、つきあってよ。お願い』 『……わかった、ちょっとだけね』  そう、ずるずると。  ずるずると、ね。  カレをなぐさめてあげるつもりが、一緒に飲んでいたらなぜか意気投合しちゃって。  これもまたなぜなのか、カレの策略なのか?  このあと、私の家で飲み直そうということになり、酔った勢いで私は彼氏以外の男性に体を許してしまった────。
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