#01.お持ち帰り、しちゃいました。

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 ん? 「えっ……、猫っ!?」  ズキズキと痛むなか、頭を抱える私。  なぜ猫が、この家の中にいるんだ!?  ピンポーン。 「……ん……」  隣で寝返りを打つカレ。  大人しそうな顔をして、実は肉食。  そういうの、嫌いじゃないけど。  カレを起こさないように、そっと抜け出す。  ピンポーン。  ピンポーン、ピンポーン。  ったく、朝っぱらから一体誰よ!? 「はーい!」  勢いよくドアを開け、すぐさまドアを閉める。 「よっ、美亜(みあ)。……って、なんで閉めんの!?」  ドアノブをガチャガチャと引っ張る、その人────。  もうお分かりだと思いますが、こっちが本命の彼ケイゴ。 「顔見れたんだし、十分(じゅうぶん)でしょ!」 「もしかして、きのうのこと、まだ怒ってる?」 「お、怒ってない……」  ドアの外には、交際2年目の彼氏。  家の中(ベッド)には、きのう知り合ったばかりの男。  つまり、私!  今、非常にマズイ状況、人生最大のピンチに直面してるんですっ!
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