#01.お持ち帰り、しちゃいました。

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「……なにすんだよ」   彼の顔を、むぎゅっと両手で押さえ込む。  ケイゴの整った顔が(ゆが)み、思わず吹き出しそうになる。 「てか、どうしたの? こんな朝早くに……」 「そんなの、未亜に会いたいからに決まってるじゃん。なんか美亜の顔見たら、腹減った。なんか作ってよ」 「えっ!?」 「ってことで、おじゃましまーす♪」 「わっ、わっ……! ダメダメ!」 「なにがダメなんだよ」 「えーと……。そう、食材がない! 冷蔵庫の中、空っぽなの!」 「とか言いながら、美亜ってけっこう家庭的じゃん。おとといのカレーだって、作りすぎたからって冷凍保存してたじゃん」 「そ、そうだっけ? あははは……」 「そうそう。そんなわけで、おじゃましま~す」 「ダッ……!」 「あっ!」  もう終わりだっ!!!
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