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「この度は改めて御礼申し上げます! 行方不明の姪を保護していただいていたなんて本当に、何て御礼を言っていいか……!」
野木は机に叩きつけるような勢いで頭を下げたが、成親の冷厳な口調は変わらない。
「御礼なら長男に。一彬が路頭に迷う彼女を連れて来たのですから」
「そうですね! 今日一彬さんは……?」
成親が壁の時計を見上げる。
「今日は……直に帰って来ますよ」
「本当ですか? それなら是非御礼を言わせてください。本当にこんなにいいお嬢さんに育てていただいて……!」
「だって華生さんは器量が良かったですもの」
瑛子が鼻高々に言う。もっとも、彼女は華生を可愛がってはいるものの教育と呼ばれるものはまるでしていない。
「いや、驚きましたよ。まさか社長の一人息子と交際しているなんて。美男美女でお似合いだ」
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