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「あ、成親さんにはヒミツね」
言える訳がない。華生は妻って恐ろしいな……という心の声を飲み込んだ。
「息子のは適当にしてるけど、女の子はやっぱり可愛いんでしょうね、ほら隙あれば写真を集めてる」
瑛子がペラペラ捲るアルバムには、自分の来たばかりの頃の弘海と写った写真、小学校の卒業式、中学の修学旅行の写真など家では撮れない写真までたくさん貼ってある。
「知り合いとかに頼んでこっそり華生さんの写真を焼き増しさせてるの、結婚式の映像に流すとき必要だって言い訳して」
「じゃあ息子のも集めなさいよねぇ」と瑛子は茶々を入れる。
「成親さんと一彬さんって顔から性格から何から何までそっくりよね。自分の気持ちは一つも言わない。ダダ漏れなのにねぇ?」
瑛子が揶揄うように語りかけても、華生は頷くのがやっとだった。
「……は、い」
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