五章

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 制服を着た弘海が華生に視線を合わせて微笑んだ。 「おはよう華生。よく眠れたか?」  華生はぺこんと頭を下げる。 「おはようございます。えっと、ひろみ兄さま」 「兄さま?」  弘海が首を捻ると、華生が説明した。 「かずあき兄さまの弟だから」 「いいよ、そんな堅苦しい呼び方しなくて。あーでも、『一彬兄様』似合うな?」  一彬はニヤけた笑いを浮かべる弟を迷惑そうに睨む。 「何が言いたいんだお前は。さぁ着いたぞ」
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