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「何だ?」
予想以上に、「男」の身体だった。会社勤めの割にはそこそこの筋肉もついており、肩幅も広い。
華生は無意識にその肩に手を伸ばす。自分の頼りない撫で肩とは違う硬い感触に、息を呑んだ。
「……お前の身体と比べれば、草臥れているだろう」
華生は勢いよく一彬の身体に飛び付いた。
この人の、ものになりたい。この人に自分の全てを委ねて、あわよくば溶けてしまいたい。
本能が、強くこの人を求めている。
華生は一彬の堅い胸に、ぴったりと自分の身体を押し付けた。
一彬はしばらく大人しく彼女の背中に手を廻していたが、ついに痺れを切らしたように囁いた。
「そう固められては身動きが取れんだろう」
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