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鑑田の車の助手席に座る華生は、座席シートに深く身体を沈めた。
「本当に……なんて御礼を言っていいか……」
鑑田は照れ臭そうにハンドルを握る。
「夫は妻を守る為ならどんな手段でも取るものだよ……たとえ人道に外れたとしても」
彼の横顔は真剣だった。華生は少し身震いをする。
本当に頼もしい夫……ほんの少し怖いくらいに。
華生は時計を覗いて謝罪する。もう21時を回っていた。
「せっかくのお食事ができなくてごめんなさい。お義父様たち、楽しみにしてたでしょう?」
「いいよ、食事なんていつでもできるし。それより華生さん……行きたい所があるんだ」
「はい……?」
こんな時分にどこに行くのか、華生は首を捻る。
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