終章

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女性は一彬を見て満面の笑みを見せる。 「まぁ一彬、相変わらず辛気臭い顔してるわねぇ!」 「……老けたなおふくろ」 女性は一彬をまじまじと見ている華生に視線を移し、優しく微笑みかけた。 「あら可愛らしい! 貴女が一彬の奥さん?」 「あ、は、はい。華生です。初めまして」 「初めまして、一彬の母の蔦江です。よく来てくれたわね、上がってちょうだい。あ、一彬アンタは待って。トイレットペーパー切れたから買ってきてよ」 「客人に向かって何を言っているんだアンタは」 「アンタは客じゃなくて息子、さぁ行ってらっしゃい」 蔦江はピンクのスリッパを一足だけ出して華生の前に出す。一彬は「昔からこういう人だったな」とぶつくさ言いながら、車に戻った。
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