終章

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「さぁ華生さん、ここに座って。今紅茶を出すわね、クッキーくらいしかないけど召し上がって」 華生は若干戸惑いながらも、普段は法律相談に使っているのであろうパイン材のテーブルとパイプ椅子に腰掛ける。 「ダージリンでいいかしらー?」 「喜んでいただきますー!」 台所の向こうから声がしたのでこちらも叫び返した。華生の貧相な声と違ってはっきりとよく通る。 「さぁ、どうぞ」 しばらくすると、可愛らしいティーカップに注がれた紅茶と、百貨店に置いてあるちょっと高級なクッキーが出てきた。 「あ、ありがとうございます。いただきますね」 「クッキーは買い置きだけど」 そう言って蔦江はバニラのクッキーをつまむ。そしておどおどとカップに手をかける華生を見てぷっと吹き出した。 「緊張しなくていいのに。一彬が帰ってくるまで二人でお話ししましょ」
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