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端正だが厳しい顔つきの一彬と妖精のように可憐な華生、二人並ぶと野獣と美女だ。一彬の無言の圧に既に呑まれている担任はおずおずと口を開く。
「あの、さっそくお話に移らせていただきたいのですが……華生さんの成績の件で」
机の上に並べられたプリント紙、82、92、86と数字が並んでいた。
「夏の実力模試の結果です。華生さん、校内でも8番目に成績が良かったです」
一彬は眉一つ動かさない。
「……英語は一位でしたな」
「満点でしたから。お兄さん、彼女なら東京、京都……は言い過ぎですが、恐らくどんな大学でも合格できます……本当に、大学は、受験しないのですか?」
一彬は考える素振りすら見せなかった。
「結婚が控えていますから」
「でも、せっかく聡明な頭をお持ちなのに進学しないのは勿体ないですよ!?」
「……華生は頭が良いのとは少し違います」
一彬も彼女を馬鹿だと言っている訳ではないが、華生は特別賢いのではない。人並み外れた努力で、成績上位を勝ち取っているだけだ。
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