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華生が自室で宿題をしている時分に鑑田から着信があり、彼女はシャープペンシルから手を離す。
「はい」
「華生さん? 俺だけど、今いいかな?」
「! はい、勿論」
華生がかしこまると、鑑田のクスクスと笑う声が聞こえる。
「どうかしました?」
「いや、華生さんは、いつも電話をすると緊張してるよね」
「そ、そうですか!?」
何故わかるんだろう。
「今正座してるでしょう、背筋ピンと伸ばして」
「そ、そんなことありません!」
多分、畳の上ならそうしているが。鑑田が「本当かなぁ」と揶揄い口調で問い詰めるので「本当です!」と強く肯定すると「わかったわかった」とまた喉を鳴らされた。
「ところで華生さん。来週華生さんの高校で文化祭があるよね?」
「あぁ、はい」
「楽しんで来てね」とでも言ってくれるのだろうか。
「それ、行ってもいいかな?」
華生が「え!?」と素っ頓狂な声を出す。
「か、鑑田さんが、来られるのですか?」
「迷惑?」
「迷惑じゃありません! ただ、ここからうちの高校は遠いですよ?」
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