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華生は鑑田を連れて校舎に入り、美術部の展示室に向かった。
「ふーん、俺美術はさっぱりわからないけれど、やっぱり上手いもんだね」
鑑田は美術部員の石膏像や写実的な絵画を見て感嘆の声を上げた。
「そうですよね、この水墨画とか良いですよね!」
「華生さんは和風の絵が好きなんだね」
鑑田は華生の傍らで優しく微笑む。そして少し悩んだ顔をした後、華生にそっと切り出した。
「ねぇ華生さん。今日は俺なんかといて良かったの? 友達に気を遣ったりとかしてない?」
華生はきっぱり首を横に振る。その表情は少し翳りがあった。
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