四章

21/34
前へ
/264ページ
次へ
「……うちの会社の常務が楢崎(ならさき)さんって言うんだけど、奥さんが朗らかな人でさ、お喋りが大好きなんだ」 彼の話の方向が見えない華生は、首を傾けた。 「そうなんですか……?」 「あとさ、幼馴染の久保田(くぼた)さんの奥さんは俺と同じくらいの歳なんだけど、歴史が好きなんだ」 「へぇー……」 「華生さんが奥さんになったら、絶対仲良くなれるよ。俺は華生さんには結婚してからは趣味を楽しんだり、友達を作って楽しく過ごしてほしいんだ」 華生はきょとんとした顔をする。 「楽しく過ごして、いいのですか?」 鑑田は「聞くまでもない」と笑い飛ばした。
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1331人が本棚に入れています
本棚に追加