四章

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「最上階が社長室です」 鑑田がエレベーターのボタンを押すと、エレベーターがゆっくりと下降する。1階に到着して扉が開くと、中からピンストライプのスーツを着た中年男性が出てきた。中肉中背の、40代半ばくらいだろうか。 「おや、柊聖(しゅうせい)さん。会社にいるなんて珍しいですね」 男性は慇懃(いんぎん)に挨拶した後、鑑田が後ろに連れた一彬と華生に視線を移し細い目を倍の大きさにする。 「……唄子(うたこ)……!」
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