第2章 君は僕が見えない

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天使の2人組は不敵な声を出しながら、シルビアの手を引っ張りながら連れて帰ろうとした。 「じゃあ、僕達のおもちゃはおもちゃ箱に帰りましょうね……」 藍人は最初に言っていたシルビアの言葉を思い出した。 「何故私を助けた……」 藍人は連れて帰ろうとするシルビアの手を引っ張りこちらに引き戻した。 「あなた達にはシルビアは渡せない!!シルビアは奴隷じゃない!!1人の人権ある人間だ!!そして、僕のたった1人の家族だ!!」 2人組の天使達は笑いだした。 「奴隷に人権なんてあるわけないだろう?」 「それに人間?それに家族?よく分からない人間だな」 藍人は手と足を大きく広げシルビアの前に立った。 「シルビアを返して欲しいなら僕を殺してから行け!!」 シルビアは怯えながら藍人に言った。 「やめろ……もういいから…止めないでくれ……」 藍人はシルビアに笑いながら言った。 「大丈夫……僕、大丈夫だから……」 2人組の天使達は藍人が倒れるまで殴り、叩いた。 それでも藍人はそこから動くことはなかった。 2人組の天使はどれだけ殴ってもどれだけ叩いても立ち上がり倒れない藍人を気持ち悪く思い始めた。 「なんなんだよ!こいつ!」 「気持ち悪いな!!」 そんな藍人の姿に耐えられなくなったシルビアは止めに入った。 「もう藍人は殴らないでくれ……俺が受けるから」 そう言ったシルビアを突き飛ばし、藍人は言った。 「シルビアは黙ってて!さぁ、早く倒しなよ!」 そう藍人が言うと、2人組の天使達は怯えてシルビアとの奴隷契約も解除して慌てて帰った。 2人組の天使達が帰ると藍人は意識を失ったように倒れた。 藍人顔はボコボコに腫れ上がり身体中は痣と傷でいっぱいだった。 そんな藍人をギュッと抱きしめながら言った。 「本当に…ありがとう……」
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