第4章 つかの間の日常

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第4章 つかの間の日常

藍人は顔を伏せながら自分の部屋へと逃げ込んだ。 「おい!藍人!!」 藍人は自分の部屋の扉の前で座り込んでいた。 「はぁ……嬉しい…嬉しいよ……」 そう言いながら藍人は天を仰ぎながら泣いた。 シルビアは藍人の部屋の前に行き言った。 「大丈夫か?藍人?」 「うん、大丈夫!」 藍人は泣いている自分を隠すように元気に答えた。 シルビアは安心して自分の部屋へと戻った。 藍人は落ち着くとベッドに寝転がりそのまま眠りについた。 朝、シルビアが起きるとウキウキしながら台所に立っている藍人がいた。 「おはようシルビア!」 藍人が振り返り階段の音がする方向に言った。 「おはよう…藍人、何してるんだ?」 シルビアが聞くと、藍人は嬉しそうに答えた。 「朝ごはん作ってるんだよー」 シルビアは心配そうに言った。 「大丈夫なのか…?」 藍人は少しプンプンしながら言った。 「大丈夫だよ!僕だって目が見えなくても作れるんだよ元々1人暮ししてるんだしー」 シルビアはその言葉に納得したが心配で藍人の後ろから抱きしめるようにして手を握った。 「何してるの?!シルビア」 すると、シルビアは静かに言った。 「怪我されては困るからな…」 その言葉に藍人の頬は嬉しさで真っ赤に染まった。 「あ…ありがとう…」 そう言って静かに藍人は手を離してシルビアに背を向けた。 「おぅ…」 シルビアが言葉を詰まらせると、藍人は言った。 「あのさ!ちょっと出掛けない?スーパーにも行かなきゃ…いけないし…」 すると、シルビアは藍人に優しく笑いかけながら言った。 「いいよ」 すると、藍人は急いで自分の部屋に戻って準備を始めた。 シルビアは藍人の準備を待ってる間考えていた。 「(お出かけか…無事で済めばいいんだが…)」 藍人は準備が終わるとシルビアに聞いた。 「どう?」 「どうって?」 少し顔を赤らめながら藍人は聞いた。 「服…似合ってる…?」 藍人が着ていた服は普通のTシャツにジーパンの姿だったが藍人からしたらオシャレだったらしくシルビアはそんな姿の藍人を見て答えた。 「あぁ…可愛いよ」 その言葉に嬉しくなり、藍人はシルビアの手を引きながら勢いよく玄関の扉を開いた。 「行こう!シルビア!」 「そうだね」 2人は昨日に怖い目にあってたとは思えないぐらいの笑顔で買い物へと出かけた。
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