第2章 君は僕が見えない

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第2章 君は僕が見えない

天使シルビアは友禅藍人に助けられてから1日経った。 「シルビア!パンとパンどっちがいい?」 呆れながらシルビアは聞いた。 「どっちもパンしかないじゃないか!!こういう場合はパンがいい?ご飯がいい?だろ?」 藍人はふくれっ面で言った。 「パンはパンでも種類が違うもん!ご飯は選択肢にない!!」 シルビアはまた呆れながら言った。 「左のパンでいい!」 そう言うと藍人は皿にパンを乗せてテーブルに置いた。 シルビアは藍人に聞いた。 「本当にいいのか?」 藍人は笑顔で言った。 「うん、怪我だって酷いし足枷も外して上げた方がいいし、1人も寂しいし、それに君は僕に似てるから…」 シルビアは不思議そうに言った。 「似てる?」 藍人は少し誤魔化しながら言った。 「似てるよ、お互い1人で寂しいでしょ!」 シルビアは苦い顔をしながら頷いた。 すると、玄関からチャイムが聞こえた。 ピーンポーンピーンポーン 藍人が出ようとすると、シルビアは嫌な予感がした。 「やめろ……開けるな……友禅…」 そう言った瞬間爆発が起きた。 「友禅!!!!!」 すると、爆風で飛ばされた藍人をシルビアが助けた。 「大丈夫か?」 藍人は笑顔で答えた。 「大丈夫だよ!そんなに近くなかったからね…」 すると、玄関から2人組の男の天使が藍人の家に入ってきた。 バサッ… 羽を開くような音に藍人は反応した。 「あなた達天使ですか?もしかして、シルビアの親ですか?」 すると2人組は不敵な声で答えた。 「そうだよ~シルビアを迎えに来たんだよねぇ…」 「さぁ帰ってきなよぉ~」 シルビアの腕に包まれている藍人は恐怖に震える怯えを感じとった。 藍人はシルビアの腕を一旦外し、立ち上がった。 「あの、あなた達が虐待をしたんでしょ?」 すると、2人組の天使は不敵な声で答えた。 「虐待?何勘違いしてるんだい?」 「そうだね、勘違いだなっ?シルビア……君はそういう宿命なんだからな」 シルビアは怯えながら頷いた。 「そう……僕は天使様の奴隷だから……」 藍人はシルビアの震える声から吐き出された言葉にびっくりしてやっと足枷の説明がついた。 「奴隷……?」
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