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一方、見つめられたイズミは照れくさそうに、足をモジモジさせていた。
「ねえ、お母さん」ミチルは島本さんに「今度は、私にイズミちゃんの服を選ばせて」と言った。もちろん島本さんはOKだ。そして、「それじゃ私は、イズミちゃんの服を選ぶのは卒業して、サツキさんの専任コーディネーターになろうかしら」と冗談ぽく言った。
「良かったな、イズミ。これからはミチルちゃんに服を選んでもらえるぞ」
僕がそう言うと、イズミは、「まるでワタシは、みなさんの着せ替え人形のようです」と照れたように言った。
そんなみんなに可愛がられる・・いや遊ばれている? イズミは、島本さん母娘が遊びに来た日の夜は、饒舌になり、サツキさんとその日の出来事を遅くまで話し込んでいる。
そんな風にして何の因果か、島本母娘と井村家は今でも交流を続けている。
そして、僕が島本さんの事を「草壁さん」と呼ばず、今も「島本さん」と呼んでいるのは、まだ島本さんの籍が草壁家に入っていないからだ。時を見て、結婚式をするらしい。
その席に僕もイズミやサツキさんも招待されている。
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