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浅丘さんは驚きの表情を浮かべたまま、「今でもなの? 井村くんが私を好きだったのって、高校生の時の話でしょ」と僕の目をじっと見た。
その透き通った瞳には嘘はつけない。
「浅丘さん・・」
改めて呼ぶと、浅丘さんは静かに顔を上げた。
彼女と向き合う中、テラスに気持ちの良い静かな風が流れた。
その風を感じ取ったように僕は、こう言った。
「もう一度、告白してもいいかな?」
あの時の告白・・高校生だった時の告白を改めてしたい。
彼女はどう応えるだろうか。
思えば、僕たちは何一つ変わっていない。
変わっている所があるとすれば、僕の傍らには、浅丘さんの妹代わりのドールのサツキさんがいて、隣には、浅丘さんの面影を宿したイズミがいることだ。
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