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そして、僕の告白の行方は・・
浅丘泉美の笑顔が全ての答のような気がした。
これが僕の初恋の辿り着いた結果だ。
僕の初恋は、ドールたちのお陰で身を結んだ。
イズミは運ばれて来た紅茶に口をつけた後、僕と浅丘さんの顔を見比べ、
「ミノルさんが御たいそうな告白をしました」と言った。「そして、アサオカさんが、ご納得し、了承したようです」と解説する人のように続けた後、
「めでたしめでたしなのです」と嬉しそうに言った。
続けて、サツキさんまでが、「イズミお姉ちゃん」と呼び、
「ワタシもお姉ちゃんの妹として祝福します」と綺麗な笑顔を見せた。
そんなイズミとサツキの冷やかしに浅丘さんは笑って、
「どうやら、私たちの初のデートは、私そっくりのイズミちゃんと、妹のめぐみの四人になりそうね」と言った。
その笑顔は高校時代の彼女を彷彿させるものだった。ホテルの喫茶室で再会した時の翳りはどこにもなかった。
「それにしても、いい天気ね」
浅丘泉美はコーヒーを飲み終えると、空を見上げた。その顔に引かれるように僕も空を仰ぎ見た。
そこには何の淀みもない青色が広がっていた。
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