2 ミュート

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 目覚めたガラは、何があったのかまるで理解できずに途方に暮れていた。それでもアーライルが傍にいることを知ると事情を察して、安堵の涙を浮かべた。 「この跳ねっ返りが」 「ごめんなさい」  アーライルの言葉に、ガラは素直に謝った。珍しくしおらしい様子だったが、視界の隅に例のミュートを見つけると、とたんに震え上がった。 「な、何なの! あれ」 「お前が好奇心に駆られて見たがったものだ。……ついでに言えば、お前の命の恩人でもある」  ラドルがガラの顔も見ずに、面倒臭そうに呟いた。 「あれは、この里のミュートだ」  アーライルが言った。 「ミュート……」  ガラの表情が険しくなった。汚らわしいものを見る目になっている。 「それから、今回の件は親父にも報告済みだ。あとでたっぷり油を搾られるから、覚悟しておくんだな」
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