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シュウは額を抱え、溜め息混じりに呟く。ユウキは頭を下げる。
「本当に済まない、兄上……書類作成位なら……手伝います……」
「当たり前だ」
声は静かだが、其の鋭い瞳に圧が込められている。更に項垂れるユウキの頭。
「です、よね……」
漸く腹を括ったシュウは、謁見の間よりユウキと別れ、リキを白虎隊隊舎へと案内した。
「本日より、此処がお前の部屋だ。先程兄上も申されたように、お前は試験結果次第では将校の位を頂けるかも知れん。そうなれば、部屋はもう少しマシなものを与えられる……給金も勿論高い。父の為、気を引き締めて掛かって来い」
微笑むシュウに、頬を染めつつも頭を下げるリキ。先程から胸が苦しい程の動悸が鳴り止まない。
「有り難う御座います……あの、シュウ様と戦うのですか……?」
「勿論。ある程度の能力がある者だけだがな……ユウキの様にはいかんぞ」
次にシュウが見せたのは、不敵な笑顔を浮かべる軍人の表情。鋭く、凛々しい瞳が光って見えた。リキは、そんなシュウを前に、今己がどんな表情をしているのかが不安で、礼をするように頭を下げた。シュウは苦笑いを浮かべ、下げたリキの頭へ軽く掌を乗せる。暖かい、感覚。心が又疼く。
「硬くなっては、良い結果は出せん。今日はもうゆっくり休むが良い……ああ、そうだ」
直ぐに掌を離し、部屋を出ようとしたシュウであったが、戸口で振り返った。
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