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そして、なぜ美香の右手だけが僕の左手にあるのか・・・・。
消防士らしき人が入ってきて、僕の話を聞きたいとの話だった。
消防士は、大木と名乗った。ナース・・・看護師のお姉さんの同級生だと話していた。
先に僕の置かれている状況の説明をお願いした。
大木さんが言うには、完成間近のビルの地下で、テナントの工事が行われていたが、そこでガス漏れ事故が発生して、1店舗で小さな爆発が発生し、その隣接していた店舗を巻き込む形で大規模なガス爆発に発展したとの話だった。
そして、地下道に逃げ場を失った爆風と炎が吹き抜けていった。
まさにそこは生き地獄だと言っていた。
地下道は、全長700m程度の小さな物だった。その地下道の中で、今のところ生還が確認出来たのは、僕を含めて2名だけ。
そして、僕は爆発から 4日間意識を戻さなかった。今も地下道では懸命な救出作業が行われているが、生存者は確認されていない。
絶望的な状況だと言う事だ。
僕は、恐る恐る聞いた
「美香は、僕の彼女は?」
大木さんらの返答は機械的に
「まだ発見に至っていません」だった。
そして、その場に居た医者は変な事を言い出した
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