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消された証
俺は、消防士をしている。
よくある話だが、この職業をしていると、”バカ”に遭遇する事が多い。
今日も、高校生の”ガキ”が、公園で花火をしていると連絡が入った。”警察に言えよ”とも思うが、公園の遊具が燃えていると言われたら、緊急出動しなければならない。
俺は、大木の様にはなれないだろう。
やつは、中学生の時に、学校で自殺騒ぎがあり、それが後に事故だと言われて、最終的には、いじめの延長で殺されたと知った。その殺人がきっかけで、同窓会で数名が殺されるという事件があった。やつは、それがきっかけで、今でも収監されている犯人の所に、月イチで通っている。そして、独居老人が増えている田舎町で、独居老人をボランティアで休みの時に訪ね歩いている。
本人は、罪滅ぼしだと言っている。やつの同級生も何人か紹介されたが、心に傷を持つのか、少し考え方が”普通”じゃなかった。
今日、警察に引き渡した、”ガキ”も普通ではなかった。3人だったが、3人とも有名市立で、親や親族が、地元ならではの有名人だ。
「所長!」
「おぉおつかれ。引き渡しは終わったか?」
「えぇいつもどおりですよ。警察も受け取りを拒否していますからね」
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