感じた重さ

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感じた重さ

 確かに、僕は、彼女の・・・君の重さを感じていた。ほんの数秒前に、君は僕の腕の中に居た。  彼女は僕の前に現れた。僕は、一目見て君を愛する道を選んだ。そして、彼女もそれを受け入れてくれた。僕の心には、彼女がいて、彼女が側にいる日常が当然の事の様に思っていた。  僕は、彼女の夢を聞いて、彼女は僕の夢を聞いてくれた。そう、二人を別つ事が来ることを考えていなかった。  僕は、彼女と初めて身体を合せた公園に来ている。あの時は、確かに彼女を身体で感じる事が出来た。  そして、彼女も僕の重みを感じてくれていた。二人は、これが永久に続くことを、信じて疑っていなかった。”疑っていない事”さえも、考える必要はなかった。  僕は、今感じなくなってしまった重みをかみしめながら、彼女の後を追うことにした。  やる事を果たしてから・・・。  あれは、一年前の同じ日。彼女が、僕の重さを感じる事ができなくなった日。     
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