2人が本棚に入れています
本棚に追加
セナは一度もMCをはさまないで10曲ほど歌った。
最後の曲を歌い終わると、
汗だくになったセナが、息を切らして真顔で言った。
「俺今日もここで歌ったんですけど、
本当にいつも吐きそうなくらい緊張してるんですけど、
やっぱ歌いたいじゃないですか、生きてるうちは。
歌わないと死んでるみたいだから、
皆さんもそうでしょ、死にたくないでしょ、あ、そういう言い方変かな、、死んでるように生きたくないじゃないですか」
周りからは、笑いがこぼれた。
みんなセナのこんな不器用で全力なところが好きなんだろう。
「だから俺は今日も生きられました。本当にありがとうございます。
また来てくれたら嬉しいし死ぬ気で歌います。あ、死にたくないのに死ぬ気っていうのも変な話ですけど、生きるために死ぬ気で、、生きたいから歌います!」
セナは深々と頭を下げた。路上ライブは終了した。
最初のコメントを投稿しよう!