2人が本棚に入れています
本棚に追加
「え、10曲入りで1500円て安くないですか?」
CDを手渡された忍は驚いて声を上げた。
「そうですね!でも、、2000円とかにしたら買わないで帰っちゃう人もいるかもしれないじゃないですか。微妙なとこだけど、いいんです、1500円で。」
「セナさんの歌は2000円の価値があると思いますよ!」
思わず忍はセナの目を見て真剣な顔で訴えた。
「いや、あの、気持ち嬉しいんですけど、俺、聞いてもらいたくてたまんなくて。1人でも多くの人に聞いてもらいたいんです。だから、、」
「だから?」
「忍さんみたいに高くてもいいって言ってくれる人はいるだろうけど。1500円でいいんです。タダだったら、俺も困るけど」
じゃあ高くしてもいいじゃん、と思ったけれど、自分の歌を聴いてもらいたいだけ、というセナの純粋さになんだか心を打たれた。
この人は儲けとか考えてないんだな。
バカなのか純粋なのかよくわからない。
忍は1500円を渡した。
最初のコメントを投稿しよう!