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「忍さん、この後時間あったらラーメン食べに行きません?」
もうすっかり夜。忍はラーメンと聞いて腹が鳴った。
「あ、そうですね、食べます」
「じゃ、着いてきてください!豚骨たべれますか?結構癖あるんですけど俺すごい好きで」
横にいる忍のことを見ながら歩くので、セナは全く前を見ていない。
車に轢かれそうになったので忍は急いでセナのTシャツを掴んだ。
「前みて歩かないと危ないじゃないですか!死にますよ!」
「ごめんなさい!ホントすいません、、」
セナはションボリしている。よくこれで今まで生きてこれたな、、と忍は呆れた。
しばらく歩くと、汚ナシュラン的な外観の「環七ラーメン」というラーメン屋に着いた。
豚骨の独特のにおいが辺りに撒き散らされている。
セナは「ちわー!」と言いながら店に入り、ギターを入り口に立てかけて、2人はカウンターに腰かけた。
「ここ臭いっすよね!この豚骨ラーメンがめちゃうまいんです!店長ネギラーメンお願いします!」
「オレの店に臭いとか言ってんじゃねーよ、しかもそんな美人の前で。だからもてねぇんだぞ。姉さんなんにする?」
スキンヘッドの店長に促され、忍は普通のラーメンを頼んだ。
「セナが女の子連れてくるのいつぶりだ?いっつも1人で来て寂しく食ってくのになあ」
店長がニヤリと笑ってセナをいじっている。
「寂しく食べてないっすよ!店長と話ししたり俺超楽しく食べてますよ!いつも!」
セナが腕を大きく動かして喋っているのが忍はおかしかった。
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