2

10/11
前へ
/67ページ
次へ
「忍さん、この後時間あったらラーメン食べに行きません?」 もうすっかり夜。忍はラーメンと聞いて腹が鳴った。 「あ、そうですね、食べます」 「じゃ、着いてきてください!豚骨たべれますか?結構癖あるんですけど俺すごい好きで」 横にいる忍のことを見ながら歩くので、セナは全く前を見ていない。 車に轢かれそうになったので忍は急いでセナのTシャツを掴んだ。 「前みて歩かないと危ないじゃないですか!死にますよ!」 「ごめんなさい!ホントすいません、、」 セナはションボリしている。よくこれで今まで生きてこれたな、、と忍は呆れた。 しばらく歩くと、汚ナシュラン的な外観の「環七ラーメン」というラーメン屋に着いた。 豚骨の独特のにおいが辺りに撒き散らされている。 セナは「ちわー!」と言いながら店に入り、ギターを入り口に立てかけて、2人はカウンターに腰かけた。 「ここ臭いっすよね!この豚骨ラーメンがめちゃうまいんです!店長ネギラーメンお願いします!」 「オレの店に臭いとか言ってんじゃねーよ、しかもそんな美人の前で。だからもてねぇんだぞ。姉さんなんにする?」 スキンヘッドの店長に促され、忍は普通のラーメンを頼んだ。 「セナが女の子連れてくるのいつぶりだ?いっつも1人で来て寂しく食ってくのになあ」 店長がニヤリと笑ってセナをいじっている。 「寂しく食べてないっすよ!店長と話ししたり俺超楽しく食べてますよ!いつも!」 セナが腕を大きく動かして喋っているのが忍はおかしかった。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加