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「おまえ、なんか男みたいだな」 入学早々、背が高いイカつい金髪の男子が話しかけてきた。 「なんでそう思うの?」 「だって、女って感じが全然しねぇもん。なんか、女子感ないし、雰囲気が男っぽい。」 「ふぅん、、」 そんなこと言われたことがなかった。忍はカサカサになった心がその言葉に潤うのを感じた。誰かにそう言ってもらいたかった。 「俺は渡井(わたらい)誠司。おまえは?」 「小田切忍。」 忍はその日から、誠司と友達になった。 誠司は体が大きくて顔が恐いけど、優しくて面倒見のいい奴だった。 誰にも認められず、変わり者扱いされていた忍にも自然に話しかけてくれた。特別扱いするわけでもなく、一人の友達として見てくれた。 忍は初めて出来た友達と過ごすのが楽しかった。 フリースクールは、いろんな事情で一般の高校に行けない子どもたちが集まって来る。 ムカつく奴もいたけど、 基本的に面白い奴の集まりで、嫌いじゃなかった。 制服もないから好きな服が着れたし。 それなりに居心地は良かった。
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