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忍は意志が強くて頑固、自分の道を進むタイプだ。
面倒見のいい誠司と忍は馬が合っていて、お互いに自然体で過ごせるのが楽だった。
異性だけど特別な感情を抱くわけでもない。親友って感じだ。
二人は毎日のように一緒に楽器を練習して、沢山の音楽を聴いた。
音楽をやりながら、忍はバイトで稼いだお金でファッションとかヘアスタイルがどんどんボーイッシュになっていった。
ロックスタイルにメンズっぽいマッシュ。
狙ったわけじゃなくて自然とそれを選んでいたって感じだ。いくつかピアスも開けた。
忍にとってそれは本当に自然で居心地のいいことだった。
けど、誠司みたいにゴリゴリに(鋲とかついたパンクススタイルでゴツい)キモ、、じゃなくてイカツイ男になりたいかって言うとそうでもなくて、、
それに男も女も好きになったことがないからよくわからないけど、
まあ、きっと自分はどっちでもないんだろうな、と思った。
それを誠司に言ってみると、
「なるほどね。俺もそうなのかなって思ってたし、いいじゃん、居心地よくいられるのがベスト!」
と言われて、忍は誠司が友達で良かったと思った。
ゴツいけど。優しい奴だし。ゴツいけど。
「なんだよ泣くなよ。そんな嬉しかった?」
「泣いてない」「泣いてるし」
誠司は茶化すように忍を覗き込んだ。
「やめろよバーカ」
忍はふざけて誠司を裏拳で殴った。
「イテッこのやろ、くらえ!」
誠司は忍の頬をぶにゅっと挟んだ。
「そのままピヨピヨって言え!」
「うるひゃいにゃめろ~!」
2人はいつものようにジタバタ騒いでじゃれ合っていた。
こいつとはいつまでも友達で、一緒に音楽やりつづけたいな、と忍は思っていた。そしてもちろん誠司も同じ気持ちだった。
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