幻の温泉たまご

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幻の温泉たまご

 その日、新米冒険者のレイアスと記憶喪失の美少女イリス、もふもふの毛並みを持つ謎の生物コロンは、戦い続きの身体を休めるため、ギルド内で休憩していた。 「はあ。何だかこうしてのんびりするのは久々だなあ」 「ふふふ。そうだね」 「みゅう!」  コロンは鳴き声を上げながらイリスの胸に飛び込んだ。レイアスはそれを恨めしく見ていると、イリスはおもむろに両手を広げて言った。 「レイアス。どうぞ?」 「え? や、えっと、俺はその」  レイアスが、イリスの突然の行動にやきもきしていると、イリスは優しく笑った。 「ふふふ。冗談だよ」 「もう。からかうなよ」 「みゅうみゅう!」  レイアスとイリスは出会ってからの時間はそんなに長くはない。それでも、色の濃い冒険を共にしている時間が多かったからか、今では当たり前の様に側にいる存在だった。 「あ! いた! ちょっとあんた!」  甲高い声がギルド内に響き渡った。 「んん?」 「あんたよ! 料理下手くその新米冒険者!」  レイアスが振り向くと、フライパンを片手に仁王立ちをする女性が一人。 「あ、ソフィさん? どうしてここに?」     
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