◆世界の境界線*ビールと伽羅

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   ──都内、某所  深夜の住宅街は、どこか別世界への扉を孕む空気をまとっている。春になろうかという青い薫りの背後には、先にあった凍える空の断片が散らばっていた。  切れかけて点滅を繰り返す街灯はともすれば、何かの影を落とし込み、眠れぬ人の恐怖を具現化していく。
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