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「坂下さん。これでオレの告白が罰ゲームじゃないって、わかってくれた?」
丹羽くんに向ける顔がない。
「でも……自分を好きになって貰えるようなとこが見当たらなかったから……これは罰ゲームなんじゃないかって思って」
丹羽くんはハハッと笑った。
「坂下さん、絶対にドS確定だね。オレさ、今だけでも三つ述べたんだけど、もっと言わせたい?」
「ううん、そうじゃなくって……その……。ごめんなさい」
私は深く腰を折って頭を下げた。未だにまだ、半分くらい信じられないのが本音だけど、もう、丹羽くんが嘘をついているとも思えなかった。
「んー、ややこしいなあ。そのごめんなさいって、告白に対する?」
「そうじゃなくって、疑ってしまって、ごめんなさい」
「いや、オレも恥ずかしすぎてテンパっちゃってさ。言葉足りなかったしね。こう見えて、かなり勇気がいったよ。頑張って告白したんだ」
なんでもさらりとこなせそうな丹羽くんの意外な一面に、思わず顔がほころんだ。
「ところで。告白の返事は?」
ほっとしたところで、またもや丹羽くんがつつくもんだから。
「えっ?」
ついごまかしの言葉が飛び出してしまう。
「くっそー! ドSめー!」
私の腕に、まったく力の入っていない丹羽くんの拳が飛んでくる。急に心拍数がドキドキとしたのは、そのせいだけではない。私は小さく深呼吸をしてから丹羽くんの瞳を見つめた。
「よろしくお願いします」
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