第一羽

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教師と生徒、禁断の恋……か。 いやいや。先生の立場もあるし、付き合うのは卒業まで待った方がいいよな。 黒い鳥のような物はバランスを崩してうまく翔べないのか、だんだん近付いてきている。 就職して三年が経ったらプロポーズだな。 ウェディングドレス姿、綺麗だろうなあ………。 そういえば先生はどこに行きたいんだろう? 不意に目の端に何かが映った気がした僕は、窓の方を振り返った。 目の前に『黒い鳥のような物体』が迫ってくるのを確認したのと同時に、おでこに衝撃が走った。 『黒い鳥のような物体』のくちばしが僕のおでこに刺さったのだ。 ……えっ、何だ??おでこが痛い……? 何をだっけ?そうだ、先生はどこに行きたいんだろう。 ……国内?国……外……? 結婚式……後……の……ハ……ネ……ムー…………ン 脚立から床に向かって頭から落下したのは覚えている。 だけどこのおでこに刺さった『物体』が何なのかを理解する時間は、とてもじゃないけれど用意されていなかった。
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