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「魁人、あなた保険に入りなさい」
晴れて一六歳になった誕生日の朝、開口一番そう詰め寄ってきたのは俺の母さんだった。
保険なんかより俺の誕生日プレゼントはどうしたという言葉を喉に呑み込み、重い体を動かして母さんの後に続く。
居間に出向くとスーツ姿の知らないお姉さんが座っていた。
俺の顔を見るやニッコリと笑みを溢すお姉さんにドキリと心が躍ってしまう。
一目で視線が向いてしまうほどの豊満な胸部とスカートから伸びる黒いストッキングに目を奪われながらお姉さんの対面に着席する。やけにスタイルが良くて素晴らしい。
だが、次の母さんの発言で俺はすべてを悟った。
「魁人、ここにサインしなさい」
という母さんに促され、有無を言わさずよくわからない白紙に署名捺印をさせられる。
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