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「ね?まぁ、飲んでよ!」
「だから、私はダイエット中なんだってば!」
「えー、飲まないの?いつもみたいに一緒飲もうよー!」
「だー、もうしなだれかかってこないで!誘惑しないで!良い感じに落ちて来てるんだから。」
「つまんなーい。ダイエットなんか必要ないじゃん!結局あの男とは別れたんだろ?今更痩せたって…」
私から放たれた怒りのオーラを察知したのか口ごもる慶一郎は、急に居住まいを正すと、ごめん!と分かりやすく謝った。
「いーの、あいつのためじゃなくて、私は私の為に綺麗になるの!」
「慶一郎も女に振られたくらいでウジウジしてないでシャキッとしなよ!だいたい女の趣味が悪いのよ!なんでそう、変な女とばっかと付き合うのかねー。」
「だって、俺のことすげー好きって言ってたんだよ?ずーっと一緒にいたい!って。なのにさー」
「なのにさーじゃないわよ。ずっと一緒にいた結果がこのザマじゃない。その度に呼び出される私の身にもなってほしいわよ。」
持ってきたお茶を飲みながら、テーブルの上のチョコに伸ばしかけた手を引っ込める。
「自分だって男の趣味悪いじゃん。かっこばっかつけてる中身のない男だったじゃん。」
ボソボソ言ってる声が聞こえる。
「聞こえてる!私はね、あんたのせいで初恋を失敗してるのよ、そっからよ。私のロクでもない男運は!」
「えー、俺のせいなの?おれなんもしてなくない?」
「慶一郎はねえ、いつもどんな時も自覚がないのよ!そういうとこなの。」
「えー、じゃあ俺が責任とってもらってやろうか?」
「は?ニヤついた顔してなに言ってんのよ、慶一郎の連れてる子は私と真逆のタイプばっかりじゃない。人の気も知らないで。もういいや。果物食べよ!キッチン借りる~。」
「ん。」
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