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幼馴染
「慶一郎?入るよー!」
メッセージの通り鍵が開いている。
「もう、不用心なんだから。」
いつもの彼らしくなく玄関の靴は脱ぎっぱなしだ。
部屋の奥から明かりと音が漏れている。
定期的に訪れるいつものやつだ。と言ってもここの所は随分と間が空いていた。
部屋に続くドアを開けると
「やっと来た~!遅いよ~。」
さほどお酒に強くない彼はすっかり出来上がっている。
「ね~もう、大丈夫?これ全部飲んだの?」
テーブルに空いたワインの瓶が置かれている。
明らかにいつも彼が許容している範囲を遥かにオーバーしている。
「明日も仕事なんじゃないの?起きられるの?」
「あー、もう先に休み取った!オレ偉くない?」
「偉くないよ。飲めもしないくせにこんなに飲んでさ、毎度毎度おんなじ事繰り返してるし、いい加減学習しなよ!」
「酷いよー、おまえまでそんな事言うなよ。こう言う時くらい優しくしてくれたって良いじゃんかー。」
「ったく、優しいから来てあげてるんでしょ!もー泣かないでよ。めんどくさー。来るんじゃなかった。」
「ごめんごめん、だから帰んないで?」
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