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彼女に膝枕されながら、俺は彼女に『恐怖』を話した。
「死にたい。でも死ぬのが怖い。死んだらどうなるのか、想像するととても怖くなるんだ。真っ暗な深淵が迫ってくるような、死んだ方がきっと辛くて地獄なんだ。地獄に行くのは怖い。天国なんて存在しない。天国が確かにあるのなら、地獄みたいなこの世に留まらずに、とっくに皆死んで天国へ行くはずだもの」
彼女は静かに俺の頭を撫でながら優しくこたえる。
「天国はきっとあるよ。ただ何処にあるのか、わかりにくい場所にあるのかもしれないね。だから皆、迷わないように、生きてる間に探すのかもしれない」
そうだ優しい時間もあったんだ。それでも俺は辛いのが嫌で、苦しいのから逃げたくて。ただ楽になりたかったんだ。
涙が零れて止まらない。呻き声をあげながら泣き続けた。
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