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目が慣れてくると薄っすらと見える程度だったけれど、貴久の視線をまっすぐに感じる。
ホックを外そうとする 手が震えている。
ジッパーを下ろしてそのまま手を離すと、パサっという音が静かな部屋に響いた。
貴久が近づいてきて目の前で止まると耳元で低い声が聞こえる。
「上は?それも濡れてるんじゃないの?」
頭が真っ白になって貴久の顔を見上げると目が合う。
その眼差しの意図を汲んでボタンを外そうにもうまく外せない。
「じゃあこっちはおれが」
そう言って、触れるキスを一つしてボタンを一つづつ外していく。
その間身体が小刻みに震えるのが自分でもわかった。
「寒い?怖い?それとも緊張?」
「全部…」
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