262人が本棚に入れています
本棚に追加
頭の中、お花畑かよ。学年一の秀才だと思ってたけど、ぼく、誰かと名前間違って覚えてたのかもしんない。
「って、だから、こういうのをやめろって!」
気づけばぼくは、再び壁ドンされていた。
身長差から妙に決まるのがまた苛立たしい。
「……その。でも、酒井、こういうのが好きなんだよな……?」
おずおずと檜垣くんが言う。やっぱりって感じの返答だったけど、でも嫌がらせじゃなかったのか。素だったのか。それはそれで凄すぎる。というか、ヤバすぎる。
自分より背の高い身体を軽く押しのける。檜垣くんはすぐに離れてくれたけど、その瞳は不安そうに揺れていた。そんな姿も絵になる。君に群がる女子ならイチコロだろうに。残念だな。
「確かにぼくは、少女漫画が好きだよ。そういう恋愛したいって思ってたりもする。でもなあ、ヒロインになりたいってことじゃないんだよ!」
「そ、そうか、なるほど……」
女の子になりたいとでも思われてたのか。
少女漫画的な恋愛に憧れてるっていったら、そういう勘違いをしても多少はしかたない……いや、勘違いしたまま突っ走りすぎだろ、普通に。
最初のコメントを投稿しよう!