少女漫画的な告白

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少女漫画的な告白

 初めて、告白された。しかも、少女漫画のようなシチュエーションで。ただし、相手は男。ぼくも、男。 「ま。待って、ぼく男なんだけど」 「さすがに女には見えないけど」 「小さくないし」 「オレよりは小さい」  ぼくのほうは平均身長だからな。でも、小さいとは言えない。高くはないけど低くもない。  失恋したては励ましてくれる人に惹かれやすいとはいうけど、こんな簡単に……。  ううう。もし檜垣くんかぼくが女だったら、かなり理想的な展開なのに惜しい。とか考えてる場合じゃない。これは現実だ。 「ぼくは友達としか思えない、ごめん」 「えっ?」  なんで驚くんだよ。確かに檜垣くんはイケメンだから、女の子に告白して断られることのほうが少ないかもしんないけど、男に告白してふられない可能性を考えるほうが難しくない? 「なら、酒井はどうして、あんなに優しくしてくれたんだよ」 「元気出してもらおうと思って……」 「気づくと、オレ……オレのこと、見てるし。それに、前から結構見てることあっただろ」  そ、ソコかあ。まさか観察してたとか言えない。     
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